スマホを購入する際にお馴染みとなっている「1円スマホ」。最新機種を1円で利用できるので、実際に契約された方も多いのではないでしょうか。
実は、最近、家電量販店やショッピングモールで「お急ぎください!契約するなら今です」と販売員が駆け込み煽るする姿が多く見受けられます。
1円スマホが無くなるの!このタイミングで乗り換えた方がいいかな?
この背景は電気通信事業法のガイドライン改定によるものです。今回は制度改定の概要と影響をまとめました。知識武装して賢く選択しましょう!
具体的にどこまで影響があるか各キャリアしだい!
総務省は12月26日から「電気通信事業者法第27条の3等の運用に関するガイドライン」を改定すると発表しました。主な内容は下記2つです。
買い取り価格が明確化される
1つ目は、買い取り価格が明確化されることです。これにより1円スマホが無くなるとされています。現在は、買い取り価格を各キャリアが独自に設定をしていますが、改正以降はリユースモバイルジャパンが公表する価格を元に、買い取り価格を設定しなければなりません。各キャリア買い取り価格をあえて高額に設定しており、基準が明確化されることで、返却時の端末買い取り価格が下がり契約者の負担が増える=1円スマホが無くなるという理屈です。
特に、リセールバリューが低いアンドロイドは今回の改正で大きく影響を受け、中古でも人気が高いiphoneはあまり影響を受けないのではないかとされています。
なぜ1円スマホが成り立つのか?
1円スマホは契約開始当初1年~2年1円、2年以降は数千円の支払い設定となっており、1円期間終了時に端末を返却すると残債や残価が免除される仕組みです。返却後に新たな契約をすることで、常に最新機種に切り替えることができるというわけです。例えば、ソフトバンクであれば新トクするサポートの名称で実施しており、端末を48回払いで購入し、25カ月目に端末を返却すると残り24回分の機種代金が不要としています。新規機種発売から1~2年であれば買い取り価格も下がらず、本体価格-買い取り価格が割引上限4万円以内に収まるため、1円スマホが実現できるというわけです。
反面、端末のレンタルなので自分のものにはなりません。加えて、支払いが滞れば信用情報に傷がつく、契約次第では月々の通信費が高い、回収時に審査基準を満たさなければ別途修理費用が必要となり、安いからと言って契約してしまうと後々高くつく可能性もあります。
お試し割を開始する
2つ目はお試し割が開始されます。キャリアを始めて利用する方に対して、最大6カ月、上限2万まで割引を認めるというものです。料金が安いけど自分の住む地域でネットワークが繋がるか不安という声もあり、割引するのでは試してみてくださいというものです。詳細は不明ですが半年間タダになるのでしょうか。楽天モバイルが提案して実現しているため、まさに楽天モバイルの課題を反映したような改正に思えます。
ただし、複数ブランドを提供しているキャリア、例えばauとUQモバイルのような2ブランドある場合は、どちらか一方での適用となります。そのためドコモ、au、ソフトバンク、楽天とMNO4キャリアを自半年間ごとに渡り歩くのは可能なため、使い方次第では一定期間お得に利用することができます。
SIM契約もキャッシュバック上限あり!?
端末は現在使っているスマホをそのまま利用して、通信キャリアのみ乗り換えるSIM契約だけでも商品券やポイント還元など恩恵を受けることができます。ただし、電気通信事業法では、端末購入だけでなくSIMのみの契約にもキャッシュバック上限2万円(税抜)と決まりを定めています。そのため、少しでも多くの還元を受けようと各キャリアに話を聞いても似た内容しか出てこなくなりました。各社差別化が難しいことから、光通信、クレジットカード、キャッシュレス決済などの経済圏で差別化を図っているように思えます。
まとめ|お試し割の方が影響が出てきそう
電気通信事業法のガイドライン改定は①端末価格の買い取り金額が明確化される、②お試し割を開始するというものでした。各代理店が煽っている「1円スマホが無くなる」は、一部アンドロイドは改正の影響を受ける可能性はあるものの、これを機に急いで契約するほどではないです。もし本当であればSNSで話題になりそうですしね。
どちらかと言えばお試し割の導入の方が、影響があると思っています。詳細は各社発表されていませんが、6カ月間タダ同然で使える可能性もあり、各キャリアを渡り歩けば2年~3年は無料で使える可能性もあります。ただし、現在のSIM契約のキャッシュバック2万円に変更が無いのか?もし無くなるようであれば、±0で実はホッピング対策の可能性も十分にありえます。
学生や新社会人で活況になる春商戦で各社どのようなキャンペーンを打ち出すか注目しましょう!
おまけ|私が考えるスマホ契約との向き合い方
最後に、記事とは話が逸れてしまいますが、私が思うスマホ契約との向き合い方についてまとめます。
1つ目は情報弱者にならず、最低限の知識を入れておくことです。通りかかりのイベントで、販売員の勢いに押されそのままに契約をしてしまった方もいると思います。親切丁寧に全てを提示してくる販売員は少なく、特典を隠していると思ってください。知識があれば販売員と交渉ができ、有利な条件が引き出せる可能性があります。改めて選択肢を自分が持つことは改めて重要だと感じました。
2つ目はスイッチングコストが発生することです。スマホ契約は時間的、心理的な負担が大きいです。加えて、不必要なものを契約させられ、すぐに解約すれば問題ないものの忘れると使いもしないものに数百円の毎月発生します。機種を変更すれば付属品も検討しなければいけません。デメリットを差し引いてもメリットが勝れば問題ないですが、勝らないのであれば長く使い続ける方がいいように思えます。
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